約10%の子供さんはいびきをかかれます。
おだやかないびきであれば、それほど気にされる必要はありませんが、激しいいびきをかいたり、眠っている間の呼吸が苦しそうであったりするならば注意が必要です。
もしかすると、子供の睡眠時無呼吸症候群であるかもしれません。
子供さんの場合は大人の方と違い、呼吸が止まっても、ひどい酸素欠乏になることがなくても、睡眠の質が悪くなって、日中の眠気や疲労感が出現したり、小さな子供さんでは、ときには眠気のために落ち着きがなくなることもあります。
米国小児学会のガイドライン(2002)でも小児の睡眠時無呼吸症候群の患児には適切な診療および治療を行うことが勧められています。
睡眠呼吸障害のある子供さんでは、睡眠が障害されるために成長ホルモンの分泌が低下し成長や発達の障害が出現したり、夜尿、起床時の頭痛などの原因となる場合もあります。
また、睡眠中に胸腔内の陰圧が強くなり、心臓に負担を与えたり、肋骨や胸骨の変形をきたしたりします。
子供さんの睡眠時無呼吸の原因の多くはアデノイドや扁桃腺の肥大で、手術による治療で劇的に改善します。
手術はあまり小さい時期だと困難ですが、できるだけ早くしたほうがよいことが報告されています。
当院では耳鼻咽喉科と協力し、小児睡眠時無呼吸症候群の診療と治療を積極的に行っています。
- 激しいいびきや睡眠中の苦しそうな呼吸、胸骨の陥凹
- 低身長や成長の遅れ
- 体重増加不良
- 日中の眠気、疲労感
- 日中の落ち着きのなさ、多動
- 激しい体動や座ったまま寝るなどの奇異な寝る姿勢
- 寝汗、夜尿
- 朝、起床時の頭痛や口渇感、胸やけ