呼吸器内科では、肺炎/慢性閉塞性肺疾患(COPD)/気管支喘息などの一般的な呼吸器疾患を診療しています。
対象疾患
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD:慢性肺気腫、慢性気管支炎)
- 気管支喘息
- 肺炎
- 胸膜炎
- 気管支拡張症
- 慢性呼吸不全
- 一般的な間質性肺炎等
- 睡眠時無呼吸症候群
慢性閉塞性肺疾患(COPD:慢性肺気腫、慢性気管支炎)
症状は体動時のいきぎれ/慢性のせき/痰ですが、緩徐に進行するために自覚的には分かりにくい症例も多数おられます。
治療は、ガイドラインにそって段階的に行い、疾患の理解/禁煙/感染の予防/気管支拡張薬の吸入/呼吸リハビリ/在宅酸素療法/在宅マスク式換気療法です。
慢性閉塞性肺疾患と気管支喘息の合併例の場合には、吸入ステロイドを併用します。
増悪時には、抗生剤/管支拡張剤/ステロイド/酸素療法、場合によりネーザルハイフロー/マスク式換気療法などを施行します。
気管支喘息
症状は夜間中心の咳/痰/喘鳴/呼吸困難です。
病態は、アレルギー性/慢性/好酸球性/気道狭窄性の気管支炎です。
治療は、ガイドラインにそって段階的に行い、疾患の理解/吸入ステロイド+気管支拡張剤の合剤(吸入指導を含む)/抗原回避(生活習慣の改善)/増悪の早期対処法の習得です。
最近増加している喘鳴の無い咳喘息には吸入ステロイド単剤から開始します。
喘息発作時には、点滴ステロイド/気管支拡張薬の吸入/補液/酸素投与などを施行します。
肺炎
典型的な症状は、急性の咳/痰/発熱ですが、高齢者では倦怠/脱力/食思不振症状だけの方も多くみうけられます。
基礎疾患の無い市中肺炎と院内肺炎+医療介護関連肺炎に大別されます。
診断/治療は、ガイドラインにそって行い、病原体に対する適切な抗菌剤の選択、重症度による治療の場の選択と支持療法(酸素吸入/補液、場合により人工呼吸)を施行します。
肺炎は医療の発達した現代であっても 高齢者においては死亡原因の上位を占める疾患です。
誤嚥を繰り返す症例等に対しては、個人/ご家族のご意思やQOLを考慮した治療/ケアを施行します。
胸膜炎
症状は肺炎と同様ですが、胸痛を伴います。
感染が胸腔に及ぶ疾患で、胸水を伴います。
治療は肺炎に準じて施行しますが 胸水が多量であれば排液処置を追加します。
気管支拡張症
気道がのう胞状あるいは棍棒状に拡張する疾患です。
増悪時の症状は肺炎に準じますが、血痰が出る場合があります。
この中には非結核性肺抗酸菌症のように慢性経過をとる症例が非常に増加しています。
治療は、適応があれば去痰剤や抗生剤などの内服ですが、悪化・進行して呼吸不全に至った場合には、酸素療法・マスク式換気療法等を施行します。
慢性呼吸不全
症状は、安静時や体動時の息切れ/呼吸困難ですが、無症状の場合もあります。
炭酸ガス貯留を伴わないⅠ型と貯留を伴うⅡ型に大別されます。
慢性呼吸不全に至る原因疾患は、慢性閉塞性肺疾患/気管支拡張症/肺結核後遺症/陳旧性胸膜肥厚/炎症瘢痕/間質性肺炎/肺癌/慢性心不全など多数ありますが、それらの原因が重複している場合がしばしばあります。
治療は、ガイドラインにそって段階的に行い、疾患の理解/最適な薬物療法/酸素療法/ネーザルハイフロー/マスク式人工呼吸療法/呼吸リハビリ、場合により挿管人工呼吸療法などを組み合わせて施行します。
急性増悪時の対応はCOPDの増悪時に準じますが、慢性呼吸不全の場合には、呼吸管理が主体となります。
一般的な間質性肺炎等
症状は慢性のせきや安静時や体動時の息切れです。
間質性肺炎の原因は、薬剤/膠原病/環境/過敏体質/原因特定不可などと非常に多岐にわたり、経過の個人差も大きいので、原則的には各原因/原疾患に対する治療、あるいは段階に応じた対症療法になります。
医療の発達した現代においても、間質性肺炎の原因は特定できない場合がしばしばあるのが現状です。
現実にも、原因が特定できない特発性肺線維症が半数以上を占めており、適応例には抗線維化薬の内服や酸素療法/呼吸リハビリなどの治療を施行します。
また一般的に間質性肺炎、特に特発性肺線維症が急性増悪した場合には致命的になる例がしばしばあります。
睡眠時無呼吸症候群
当院では呼吸器内科ではなくて 睡眠医療センター での診療となります。