ヘリコバクター・ピロリ菌感染症とは
日本人の約半数(50歳以上では約70%の人)が感染しているピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃がんの発生と深く関わっていることがわかっています。
ピロリ菌に感染しないことが最も望まれますが、感染してしまっている人でも、除菌療法によって胃がん発生のリスクを減少させることができるとわかってきています。
特に、菌による胃粘膜の変化が進行してしまう前の除菌療法が勧められます。
従来、わが国では、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、胃がん内視鏡治療後などにピロリ菌感染が合併している患者様だけの除菌治療に公的医療保険が適応されていましたが、2013年2月より、胃炎を内視鏡で確認できた患者様でピロリ菌感染が確認された場合は、すべて、除菌治療に保険が適応されるようになりました。
すなわち、内視鏡検査さえ行えば、ほとんどの患者様が保険で除菌できるようになりました。
これにより、胃がんリスクを減らす目的での治療ができるようになったわけです。
但し、内視鏡検査を受けないで除菌を希望される場合、感染の有無だけの検査を希望される場合や、一次、二次除菌が不成功で、三次除菌を希望される患者様、ペニシリンアレルギーで保険適応薬剤が使えない方などについては全額自費の自由診療となります。
ピロリ菌の検査を受けてみたかったがその機会がなかった方や、家族や親せきに胃がんの人がおられる方、ピロリ菌感染がわかっていて除菌治療を受けたい方など、ぜひ、一度、専門外来受診をお勧めします。
専門外来の特徴
- 日本ヘリコバクター学会認定専門医が診察を担当します。
- ピロリ菌のリスク、検査方法、治療内容などを十分に納得していただけるよう説明を尽くして診療を行います。
- 完全予約制で診療します。
- 保険適応になるか、自由診療になるかを判断して診療を行い、必要なら院内消化器内科の診療において継続対応します。
ピロリ菌専門外来の対象となる方
- ピロリ菌感染の有無を調べたい方。(内視鏡検査をしない場合は自由診療)
- 胃がん予防のためにピロリ菌除菌治療を希望される方。(内視鏡検査をしない場合は自由診療)
- 他の医療機関や健診などでピロリ菌除菌を勧められた方。(すでに内視鏡検査をしている場合は保険診療適応)
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治療を受けていたか現在受けている方。(保険診療)
- 他医療機関で一度除菌療法をして失敗した方。(二次除菌 保険診療)
- 他医療機関で二次除菌まで失敗した方。(自由診療)
- ペニシリンアレルギーで保険適応薬剤が使用できないが、ピロリ菌除菌を希望される方。(自由診療)
ピロリ菌専門外来の対象とならない方
- 腹部症状があり精査が必要な方。(消化器内科一般外来受診)
- 胃がんで治療中または治療した事がある方。(消化器内科一般外来受診)