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炎症性腸疾患(IBD)専門外来 概要


炎症性腸疾患(IBD:Imflammatory Bowel Disease)とは

腸の粘膜に炎症や潰瘍を生じる原因不明の慢性疾患です。主に潰瘍性大腸炎とクローン病のことで、ともに下痢、血便、腹痛などで発症します。最近は高年発症も目立ちますが、10代~20代の若年者を中心に発症し、病状の経過は再燃(悪くなること)と緩解(落ち着くこと)を繰り返します。

病因は不明ですが、免疫機能の異常、遺伝、食物、腸内細菌などが関連しているのではないかと考えられています。現時点では残念ながらこの病気に対して完治させる治療方法はありませんが、診断法や治療方法は著しく進歩しており、多くの方は日常生活を支障なく暮らされています。しかし病状によっては入院して治療が必要になったり、外科治療が必要になる場合もあります。

それぞれの病気について詳しく知りたい方は下記をご参照ください。(外部サイトへリンクします)

専門外来の特徴

  • ・炎症性腸疾患に必要な検査や治療内容についてわかりやすくご説明します。
  • ・合併した肛門病変に対しても診断、治療も行います

炎症性腸疾患の治療

内科治療

治療方針として、まずは病気を落ち着かせて(寛解導入)、その状態を維持(寛解維持)することが目標となります。症状がなくなったとしても、通院治療の継続が必要となります。
ペンタサ、アサコール、サラゾピリンなどの第一選択薬の内服から始め、副腎皮質ステロイド、免疫調節剤、血球成分吸着除去療法、免疫抑制剤、抗TNFα抗体などを組み合わせて治療に当たります。第一選択薬のペンタサなどメサラジンアレルギーにより内服が困難な方に対しては、脱感作療法を行っておりますので、ご相談ください。

食事療法

栄養バランスのよい食事を規則正しく摂取することが大切です。一般的には低脂肪、低残渣(繊維成分が少ない)食がすすめられていますが、寛解期にはそれほど神経質にならなくても大丈夫です。患者様個々の病変部位や消化吸収機能は異なりますので、どのようなものを摂取すると腹部症状(下痢、腹痛など)が現れるかを、ご自身で把握しておくと良いでしょう。
食事について詳しく聞かれたい方は、当院の栄養士が相談させていただきます。

肛門病変の治療

クローン病には肛門病変が高頻度に合併します。放置すると長期間の経過の中で難治性多発痔瘻や肛門狭窄が生じ、生活の質(QOL)に多大な影響を及ぼします。炎症性腸疾患に伴う痔ろうは、通常の痔ろうと発生の仕方が異なり治療方法も異なります。
まずはドレナージシートン法(uncutting seton)を行い、効果が不十分であれば抗TNFα抗体と併用してQOLの改善を目指します。

外科治療について

様々な内科的治療でも難治性で治療に難渋した場合は、タイミングを逃さないように外科治療を選択する必要があります。炎症性腸疾患の外科治療は周術期管理も含め高い専門性が必要になります。

(連携施設)

  • ・兵庫医科大学病院 下部消化管外科 池内浩基先生
  • ・大阪大学医学部附属病院 消化器外科 水島恒和先生
  • ・横浜市民病院 外科・炎症性腸疾患科 杉田昭先生

医療費について

潰瘍性大腸炎、クローン病ともに「特定疾患治療研究事業」の対象疾患に指定されていますので、住所地を管轄する保健所にて所定の手続きを行い、認定されると、医療費自己負担分(保険診療)の一部、または全額が国や都道府県から助成されます。

患者会について

炎症性腸疾患の患者様は、10代、20代で発症し病気と長く付き合わなければならないので、日々の生活だけでなく、身体の発達、学業、就職など人生の様々な時期でいろいろな不安や悩みを抱えることがあります。医療関係者からの回答では不十分な点もあると思います。
炎症性腸疾患の患者会は地域に根差し、全国にネットワークを作っています。その地域の患者会の集まりで先人の体験談、克服談などを聞き、悩んでいることを話すことで不安を低減につながると思いますので、お勧めしています。



炎症性腸疾患(IBD)専門外来

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